在宅医療を始めたばかりの薬剤師が迷いやすいのが、「初回訪問時に何を算定するのがよいのか」という点です。
令和8年度調剤報酬改定があり、特に医師と同時に訪問した場合は、
- 在宅移行初期管理料
- 訪問薬剤管理医師同時指導料
のどちらを算定すべきか悩むという問題がでてきました。
今回は、初回訪問時によくある3つのパターンを整理します。関係する加算などの記事は以下を参考にしてください。

パターン① 初回は残薬整理、翌日以降に訪問指導
在宅訪問開始時に残薬などすでに服用している薬剤について整理することが多々あります。初回訪問時に整理をして後日に訪問薬剤管理指導を実施するケースについて考えます。
実施すること
初日
- 契約
- 残薬整理
- 再調剤
翌日以降
- 訪問薬剤管理指導
算定
- 在宅移行初期管理料
- 居宅療養管理指導費(在宅患者訪問薬剤管理指導料)
在宅開始時は残薬が大量に残っていることも多く、まずは服薬環境を整えることが重要です。その後、改めて訪問し服薬指導を行うことで適切な在宅管理につながります。
パターン② 月をまたぐケース
例えば月末に初回訪問し、残薬などの整理を実施、翌月から訪問指導を開始するケースです。もちろんパターン①と同じように在宅移行初期管理料を算定しても良いですが、外来服薬支援料1を算定することもできます。
月末
- 契約
- 残薬整理
→ 外来服薬支援料1
翌月
- 初回訪問
→ 居宅療養管理指導費(在宅患者訪問薬剤管理指導料)
月末は算定タイミングに悩みますが、このような運用も実際によく行われています。外来服薬支援料1は地域支援体制加算の要件となっていますが、算定する機会が少ないものだと感じています。実績が必要な場合はこのような算定の仕方もあるので参考にしてください。
月末でなくとも外来服薬支援料1を算定することは可能ですが、同月中は訪問薬剤管理指導を算定することはできないので、注意してください。
点数自体は在宅移行初期管理料 (230点) のほうが外来服薬支援料1 (185点) より高いため、実績について特に困っていない場合は在宅移行初期管理料の算定で良いと思います。
パターン③ 医師と初回訪問をした場合
今回特に注意したいパターンです。訪問診療を行う医師の初回診察に同行することはこれまでもよく実施されていましたが、今後はさらに多くなると予想されます。
初回診察に同行し、
- 契約
- 残薬整理
- 服薬指導 (別日)
まで実施した場合は、以下の2通りの算定方法が考えられます。
選択肢①
- 在宅移行初期管理料
- 居宅療養管理指導費 (在宅患者訪問薬剤管理指導料)
選択肢②
- 訪問薬剤管理医師同時指導料
- 居宅療養管理指導費 (在宅患者訪問薬剤管理指導料)
のどちらかになります。
なお、在宅移行初期管理料と訪問薬剤管理医師同時指導料は同日に算定できないため、どちらか一方を選択する必要があります。
おすすめは在宅移行初期管理料
私がおすすめするのは、初回は在宅移行初期管理料を算定する方法です。
理由は3つあります。
① 点数が高い
在宅移行初期管理料の方が評価が高く設定されています。
在宅移行初期管理料:230点
訪問薬剤管理医師同時指導料:150点
② 初回しか算定できない
在宅移行初期管理料は一度しか算定できません。それも初回のみです。
一方、訪問薬剤管理医師同時指導料は、初回に限らず他の日に診察同行した場合でも算定できます。
③ 次回以降でも医師同時指導料は算定できる
例えば、
初回
- 在宅移行初期管理料
- 居宅療養管理指導費
2回目の診察同行
- 訪問薬剤管理医師同時指導料
- 居宅療養管理指導費
という流れでも問題ありません。同じ月の中であっても算定できます。
在宅医療導入直後だからこそ2回目の同行も有効
退院後など在宅医療導入直後は症状や処方内容が変化しやすい時期です。
2回目の診察にも同行することで、
- 処方変更への迅速な対応
- 残薬や服薬状況の確認
- 多職種との情報共有
- 患者・家族の安心感につながる支援
など、多くのメリットがあります。
算定上のメリットだけではなく、患者さんにとっても質の高い在宅医療につながるため、ぜひ積極的に活用したい制度です。
まとめ
初回訪問時の算定は状況によって異なります。
パターン①:在宅移行初期管理料+居宅療養管理指導費
パターン②:外来服薬支援料1 → 翌月に居宅療養管理指導費
パターン③:初回は在宅移行初期管理料を選択するのがおすすめ
初回しか算定できない在宅移行初期管理料を有効に活用し、その後の診察同行で訪問薬剤管理医師同時指導料を算定することで、制度を適切に活用しながら継続的な在宅支援につなげることができます。
これからも、在宅医療に取り組む薬剤師にとって有意義な情報を届けていこうと思います。
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