2022年度に新設された在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算について徹底解説します。
介護保険は算定できないから、ほとんど算定する機会がないと思っていませんか?
2024年度からは介護保険利用者であっても算定することができます。
算定する機会が少ないからこそ、算定するときに要件を満たしているか確認することが重要となります。
この実績が2026年度以降の調剤報酬改定において施設基準などの要件になってくるのではないかと、少し期待しています。
この記事を読むことで「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算」について必要な施設基準や届出、算定要件、薬歴の記載方法まで網羅することが出来ます。
概要
要件
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注2に規定する場合を除く。)は、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算として、1回につき250点を所定点数に加算する。
この場合において、注3に規定する加算は算定できない。
※注3に規定する加算:麻薬管理指導加算
詳細については管理薬剤師.comさんの薬学管理料(在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算)のページをご参照ください。
「所定点数」とは
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急時等共同指導料
- (介護予防) 居宅療養管理指導費
上記の点数が算定されている場合においてのみ「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算」を加算することができます。
介護保険(居宅療養管理指導費)でも2024年度調剤報酬改定によって算定可能となりました。
医療保険と介護保険の使い分けについては以下の記事を参考にしてください。
施設基準
- 麻薬及び向精神薬取締法第三条の規定による麻薬小売業者の
免許を受けていること。 - 医薬品医療機器等法第三十九条第一項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。
同時期に新設された「在宅中心静脈栄養療法加算」とは異なり、施設基準は少し厳しいものとなっています。
(「在宅中心静脈栄養療法加算」ではみなし認定で済むため事実上、保険薬局であれば全て施設基準を満たせます)
麻薬小売業者の免許&高度管理医療機器販売業の許可
この2点を受けておくことが施設基準を満たすために必要であるため、事前に確認しておきましょう。
算定要件の詳細解説
堅苦しい文章なので要点だけ抜粋して以下それぞれ解説します。
- 在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して
- 投与及び保管の状況、副作用の有無等について確認し、必要な薬学的管理及び指導を実施
- 麻薬管理指導加算は算定できない
在宅で医療用持続注射療法を行っている患者とは
在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者とは、PCAポンプなどを用いて医療用麻薬 (オピオイド) の持続投与による疼痛管理を行っている患者をいいます。
この場合においてはPCAポンプの種類はどれでも問題ありません。
PCAポンプについては別の記事で解説していますので、参考にしてください。
医療用麻薬の注射剤としてはモルヒネ塩酸塩、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォンなどがあります。
これらが処方されていることが必要となります。
投与及び保管の状況、副作用の有無等の確認と管理指導
この項目については後述する「薬歴記載方法」の項目にて詳細に解説します。
麻薬管理指導加算とは同時に算定できない
麻薬管理指導加算については別の記事でも紹介しています。
これも「在宅患者訪問薬剤管理指導料」などを算定する際に算定できる加算です。
内容は今回の記事のテーマである「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算」と重複していることもあり、同時に算定することはできませんので、十分に気を付けましょう。
ちなみに麻薬管理指導加算は居宅療養管理指導費を算定している場合にも加算可能であるため、こちらを算定することが多くなります。
薬剤師に求められている役割
この加算が新設されるに至った中医協では以下のような役割が期待されています。
- 処方提案(薬液濃度、流速、容量、PCAポンプ、ルート等)
- PCAポンプ等の使用に関する指導
- レスキューの使用回数の確認、評価スケールを活用した疼痛状況の確認
- 残液等の状況や副作用の状況について処方医へのフィードバック
- 自宅環境に配慮した指導(例:携帯型ディスポーザブルポンプは気温によって流速が変化するなど)
- 退院調整(退院時カンファレンス、病院薬剤部との事前調整)
- 訪問看護との連携(訪問看護の訪問スケジュール、ルート交換タイミング確認など)
- 院外処方可能な処方提案(院外処方可能な注射薬が限られている)
- 消毒液や医療衛生材料の供給
【2021年11月26日中医協総会資料より】
とても多くのことが期待されています。
処方提案(薬液濃度、流速、容量、PCAポンプ、ルート等)
在宅緩和に強い薬局であれば、医師から頼られて、処方提案を行うことがよくあります。
在宅医から電話
「フェントステープ2mgで疼痛コントロール不十分なので注射に変更したい。不慣れで何を出せばいいか分からないので教えて欲しい。」患者の状況など聞きながら処方設計。薬剤選択、希釈濃度、投与速度、開始タイミング…
そのまま処方箋書いてもらえました。
これって話題の処方権?— タイガー薬剤師@在宅緩和医療について発信 (@PharmacistTiger) June 9, 2023
このように私たちも日々、医師からの相談に対して必要な提案を行っています。
これらは今後、薬剤師に期待されていることであり、このようなスキルを磨くことは重要となってきます。
薬剤の選択だけでなく、投与量や希釈・投与速度についても提案することが求められていますね。
オピオイドの選択や投与量については以下の記事で紹介しています。
さらにはPCAポンプの選択についても求められるため以下の記事などで各PCAポンプの特徴の違いについて学んでおくのが良いでしょう。
PCAポンプ等の使用に関する指導
「PCAポンプ等の使用に関する指導」も薬剤師に期待されている役割です。
PCAポンプの概要と種類については以下の記事で詳細に解説しています。
PCAポンプを導入する際には使用する患者本人や家族はもちろん、医師や訪問看護師に説明することも出てきます。
近年では新しいタイプであるハイブリッド型の「クーデックエイミーPCAポンプ」が出回り始めており、まだ慣れていない医師や看護師は多いです。
事前にポンプの使い方を在宅クリニックや訪問看護ステーションに説明しに行くことも重要です。
薬局がPCAポンプなどをレンタルしていることもあります。
その際に知っておくべき診療報酬については以下の記事を参考にしてください。
このようにPCAポンプに関する知識を付けておくことは非常に重要です。
レスキューの使用回数の確認、評価スケールを活用した疼痛状況の確認
PCAポンプを導入した後ももちろん薬剤師は疼痛コントロール状況を確認していきます。
その際に評価のもととなるのがレスキュー使用回数と、疼痛評価です。
レスキュー使用回数についてはPCAポンプの種類によっては機械で記録されるものもありますが、ない場合は下記のような記録表をお渡しして本人や家族へ記録を依頼します。
そして評価スケールを用いた疼痛評価も重要です。
疼痛評価スケールの種類には一般的に以下のようなものが挙げられます。
- VAS (visual analogue scale:ビジュアル・アナログ・スケール)
- NRS (numerical rating scale:ヌーメリック・レイティング・スケール)
- FS (Face Scale:フェイス・スケール)
VAS (visual analogue scale:ビジュアル・アナログ・スケール)
紙の上に10cmの線を引いて、左端に0(全く痛みなし)、右端に100(今までで一番強い痛み)と書きます。
患者に「あなたの痛みはどれくらいですか?」と質問して、0〜100の間のどのあたりになるのかを指し示してもらい、長さを測定することによって、痛みを評価します。
NRS (numerical rating scale:ヌーメリック・レイティング・スケール)
〈痛みがない:0〉から〈最悪な痛み:10〉までの11段階で患者自身に現在の痛みに相応する数値を示してもらい、痛みを評価します。
現場では最も一般的に使用されています。
FS (Face Scale:フェイス・スケール)
痛みの表現を言語や数値ではなく、人の顔の表情によって評価するスケールです。
患者に自分の心情に近い表情を選んでもらい、痛みを評価します。
残液等の状況や副作用の状況について処方医へのフィードバック
PCAポンプ導入後には副作用確認はもちろん重要ですし、残液についても随時把握しておく必要があります。
副作用については特に切り替え直後がもっとも注意すべきです。
オピオイドについては薬剤間での交差耐性は一致していないと考えられており、別のオピオイドで大丈夫だったとしてもスイッチ後のオピオイドで過量となり副作用発現することもあります。
残液量の確認も薬剤師に求められています。
ベース投与のみで疼痛が落ち着いているのであれば計算は簡単ですが、レスキュー使用回数が多くなっている場合など疼痛コントロール不良の状況では予測より早く残液が無くなってしまうこともあります。
そのようなケースでは早めに医師に報告して往診対応などしてもらうように依頼しましょう。
副作用や残液量の管理を行う点においても訪問看護師など多職種と連携することが重要ですね。
自宅環境に配慮した指導(例:携帯型ディスポーザブルポンプは気温によって流速が変化するなど)
携帯型ディスポーザブルポンプは環境温度が大きく変化すると薬液の粘性に影響し、流速が変化する可能性があります。
例えばシュアフューザーA®の場合流量制御部は皮膚温の32℃に設定されているため、肌に密着させることが必要です。
また、機械式のポンプの中には大きなポンプもあり、どこに置くか、移動する際にはどうやって持ち運ぶなど自宅の環境や患者の活動量に合わせた対応も必要となってきます。
退院調整(退院時カンファレンス、病院薬剤部との事前調整)
入院中からPCAポンプを使用している場合、退院時には自宅で用いるPCAポンプに切り替えてから退院することが多いです。
(移動が短時間であれば一旦停止して、自宅で再開するケースも稀ですが、あります)
自宅で使用するPCAポンプは薬局から貸し出すものである場合、入院中の医療機関に事前に持っていくことになります。
その際に病院で使い慣れていない種類であった場合、入院中医療機関の看護師や薬剤師に対しても使用方法について指導することもあります。
特にクーデックエイミーPCAポンプは医療機関で導入されているケースは少ないので、注意が必要です。
選択可能であればCADD Legacy PCAポンプなど医療機関で使い慣れているポンプを一時的に使用して、退院後にクーデックエイミーPCAポンプに切り替えるようなケースもあります。
訪問看護との連携(訪問看護の訪問スケジュール、ルート交換タイミング確認など)
PCAポンプ開始時はもちろん、交換の際には、訪問看護師との時間調整が必要となります。
現時点では薬剤師による交換は認められていません。
開始時は訪問看護師に連絡を行い、時間調整して同行します。
また、交換の場合には同様に時間調整することもありますが、もともとの看護師の訪問スケジュールに合わせて訪問することが多いので、ここでも訪問看護師との連携が重要となってきます。
※2023年3月30日に行われた規制改革推進会議において薬剤師による針刺しが不要な点滴交換について提案されており、今後認められる可能性はあります。
院外処方可能な処方提案(院外処方可能な注射薬が限られている)
注射薬については以下のように院外処方可能なものが限られています。
療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等
(平成 18 年厚生労働省告示第 107 号)(抄)
第十 厚生労働大臣が定める注射薬等
一 療担規則第二十条第二号ト及び療担基準第二十条第三号トの厚生労働大臣が定める保険医が投与することができる注射薬
インスリン製剤、ヒト成長ホルモン剤、遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤、乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子製剤、乾燥人血液凝固第Ⅷ因子製剤、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤、乾燥人血液凝固第Ⅸ因子製剤、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅸ因子製剤、活性化プロトロンビン複合体、乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体、性腺刺激ホルモン放出ホルモン剤、性腺刺激ホルモン製剤、ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体、ソマトスタチンアナログ、顆粒球コロニー形成刺激因子製剤、自己連続携行式腹膜灌流用灌流液、在宅中心静脈栄養法用輸液、インターフェロンアルファ製剤、インターフェロンベータ製剤、ブプレノルフィン製剤、抗悪性腫瘍剤、グルカゴン製剤、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、ヒトソマトメジンC製剤、人工腎臓用透析液(在宅血液透析を行っている患者(以下「在宅血液透析患者」という。)に対して使用する場合に限る。)、血液凝固阻止剤(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)、生理食塩水(在宅血液透析患者に対して使用する場合及び本号に掲げる注射薬を投与するに当たりその溶解又は希釈に用いる場合に限る。)、プロスタグランジンI2製剤、モルヒネ塩酸塩製剤、エタネルセプト製剤、注射用水(本号に掲げる注射薬を投与するに当たりその溶解又は希釈に用いる場合に限る。)、ペグビソマント製剤、スマトリプタン製剤、フェンタニルクエン酸塩製剤、複方オキシコドン製剤、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム製剤、プロトンポンプ阻害剤、H2遮断剤、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム製剤、トラネキサム酸製剤、フルルビプロフェンアキセチル製剤、メトクロプラミド製剤、プロクロルペラジン製剤、ブチルスコポラミン臭化物製剤、グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩配合剤、アダリムマブ製剤、エリスロポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)、ダルベポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)、テリパラチド製
剤、アドレナリン製剤、ヘパリンカルシウム製剤、オキシコドン塩酸塩製剤、アポモルヒネ塩酸塩製剤、セルトリズマブペゴル製剤、トシリズマブ製剤、メトレレプチン製剤、アバタセプト製剤、pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)製剤、電解質製剤、注射用抗菌薬、エダラボン製剤(筋萎縮性側索硬化症患者に対して使用する場合に限る。)、アスホターゼ アルファ製剤、グラチラマー酢酸塩製剤、脂肪乳剤及び、セクキヌマブ製剤、エボロクマブ製剤、及びアリロクマブ製剤
二 (略)
覚えきれませんね(笑)
いずれこの内容についても記事にする予定ですが、ここでは院外処方可能な注射薬は限定されているということだけ、覚えておいてください。
今回の記事で関係してくるようなもので例を挙げると、アセリオ (アセトアミノフェン) 静注液1,000mgやドルミカム® (ミダゾラム) 注射液10mgなどは院外処方は認められていません。
このように院外処方できない注射剤もあるということを考慮した上で処方提案することが求められます。
消毒液や医療衛生材料の供給
消毒液や医療衛生材料の供給についてはPCAポンプに限らず在宅医療に関わる薬剤師に求められてる役割ですね。
PCAポンプ導入患者で使用されるものとして延長チューブやフィルムドレッシング剤、翼状針などがあります。
このような物品の供給も行います。
処方箋に記載できるのか、薬局が取り扱うことが出来るのかなどは高度管理医療機器であるか、特定保険医療材料であるかなどで変わってきます。
こちらについても今後改めて記事としていく予定です。
薬歴の記載
「調剤管理料で求められる記載事項」、「在宅患者訪問薬剤管理指導料等で求められる記載事項」に追加して以下の内容を薬歴に記載する必要があります。
- 麻薬の投与及び保管の状況
- 麻薬による鎮痛等の効果/副作用の有無の確認
- 麻薬に係る残薬の取扱いも含めた指導
- 処方医への情報提供
投与及び保管の状況
どれだけの薬剤量(1日量)、濃度、投与速度、レスキュー量で投与されているのかを確認します。
薬歴記載例
モルヒネ塩酸塩注射液1%50mg/5mLを生食により2倍希釈 (5mg/mL)し、CADD Legacy PCAポンプを用いて0.2mL/時で投与 (24mg/日)。レスキューは1時間量 (1.0mg) 、ロックアウトタイム15分
残液量についても「〇mL、△日分あり」など把握しておくことであと「何日分持つかな。訪問診療の予定日より早くなくなりそうだから診察依頼しておかないとな。」と前もって準備が出来ます。
薬歴記載例
残量は約20mLあり、レスキュー1日3回使用を考慮すると約3日分。4日後の訪問診療予定日までは持たない可能性あり。
保管の状況について確認する必要があります。
保管の状況としては、医療用麻薬が鍵付きのポンプにロックされているか、または携帯型ディスポーザブル式の場合は環境についても記載する必要がありますね。
薬歴記載例1
薬液は鍵付きのCADD Legacy PCAポンプにロックされて投与。高温多湿や直射日光なく保管状況は良好。
薬歴記載例2
薬液はシュアーフューザーにて投与。流量制御器は肌に密着させており、部屋の温度も室温に保たれているため保管状況は良好。
麻薬による鎮痛等の効果/副作用の有無の確認
鎮痛効果および副作用についての確認は非常に重要なので、評価して記載しましょう。
薬歴記載例
モルヒネ24mg/日にて普段NRS0~2で疼痛コントロール良好。レスキューについてはNRS6程度で使用し、1~2回/日で鎮痛効果あり。
副作用について吐き気、傾眠傾向は認めていない。便通については2日に1回程度排便はあり、問題ない。今後、特に増量時など引き続き注意していく。
ここでも評価スケールやレスキュー使用回数をもとに疼痛評価を行うことが有効です。
麻薬に係る残薬の取扱いも含めた指導
続いて指導の項目になります。
PCAポンプにより持続投与されていることと、レスキュー投与が可能であることを説明した上で我慢せずにレスキューを使用するように指導することが重要です。
また、副作用についても説明しましょう。
一般的に麻薬やモルヒネに悪いイメージを持っている患者は少なくありません。
以下の記載例では省略していますが、副作用が怖くてレスキューを使用しないというようなことがないように、患者の気持ちに寄り添った服薬指導が必要です。
最後に処方医へ行った情報提供の内容についても記載します。
薬歴記載例
持続的にモルヒネが少しずつ注入されており、痛みが悪化した際にはレスキューボタンを押すことで追加で投与されます。レスキューは1度使用してから15分間は何度押しても追加で投与されないため、痛みがあるときには我慢せずに使用してください。
副作用について便秘や吐き気、眠気など起こる可能性があります。その他にも、気になる体調の変化があれば連絡してください。
使用しなくなった麻薬は回収して薬局で廃棄するため、自宅で廃棄せず、薬剤師に渡してください。
処方医への情報提供
最後に処方医へ行った情報提供の内容についても記載します。
薬歴記載例
疼痛コントロールは良好ですが、残量は約20mLであり、レスキュー1日最大3回使用していることを考慮すると約3日分となっています。4日後の訪問診療予定日までは持たない可能性あるため、往診等ご検討をお願いします。
副作用については現在特に認めておりません。
届出
医療保険においては通常の届出で構いませんが、介護保険については電子的に申請することになっています。
この項目については今後、追記していく予定です。
まとめ
今回の記事では在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算について解説しました。
居宅療養管理指導費を算定している患者には算定できませんが、緊急時の訪問の際には算定可能となるので、算定漏れがないように気を付けましょう。
きっとこの実績が将来の在宅医療を支える薬剤師の評価となると信じて。
まとめ資料は以下になります。
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