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【薬局の在宅訪問】複数の医療機関を受診している時、指導料は算定できるの?

在宅患者が複数の医療機関を受診している場合

  • 1つの医療機関からの指示で良いのか?
  • 指示をもらっている医療機関の他の病院の処方の際には指導料が算定できるのか?
  • 指導料を算定するのなら、どこに報告書を送らなければならないのか?

このような疑問が出てきますね。

今回の記事では、これらについてお答えします。

まずは先に回答しておきます。

  • 1つの医療機関からの指示で良いのか?

 ⇒ 1つの医療機関でOK

  • 指示をもらっている医療機関の他の病院の処方の際には指導料が算定できるのか?

      ⇒ 条件を満たせば算定可能

  • 指導料を算定するのなら、どこに報告書を送らなければならないのか?

  ⇒ 算定要件上、必要なのは「指示を行った医師」のみ

ただし、状況によって異なることがあるので、以下の詳細をご確認ください。

1つの医療機関からの指示で良いのか?

基本的に在宅療養をメインで担う医療機関の医師から指示があれば良いので、1つの医療機関からの指示で問題ありません。

ただし、他の医療機関も定期的にかかっている場合は、訪問指導を行っていることは伝えておいても良いかと思います。

訪問指示の方法については以下の記事にて詳細に解説しています。

【薬局の在宅訪問】最適な訪問指示の形式この記事では「医師からの訪問指示」について解説します。 在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導費などを算定するうえで必要な要件と...

指示をもらっている医療機関の他の病院の処方の際には指導料が算定できるのか?

この質問は非常に多く頂きます。

回答としては【条件を満たせば算定可能】です。

この「条件」について詳細に解説します。

定期的な訪問の場合

定期的な訪問の場合には介護保険利用者なら居宅療養管理指導費医療保険利用者であれば在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定することになります。

これらの違いについては以下の記事をご覧ください。

【薬局の在宅訪問】在宅患者訪問薬剤管理指導料と居宅療養管理指導費 -どっちを利用する?その違いは?-医療保険と介護保険を利用する際の要件や点数が異なることがあるため、薬局薬剤師が患者宅を訪問する際にはどちらを利用するかが重要です。 ...

ここでは便宜的に居宅療養管理指導費/在宅患者訪問薬剤管理指導料を合わせて「定期訪問指導料」と定義します。

定期的な訪問の算定要件として【薬学的管理計画 (計画書) の策定】があります。

計画書を作成しておき、それに基づいて訪問する場合、処方箋が出ているかどうかに関わらず、定期訪問指導料を算定できます。

複数の医療機関を受診している場合において、受診予定日が決まっているのであれば、その日を訪問予定日としておけば算定可能となります。

レセプトは医療機関ごとに作成することになるので、指示を出している医療機関 (A病院) に関連付けて定期訪問指導料のみを算定し、処方箋発行した指示を出していない医療機関 (B病院) では薬学管理料を算定しません。

分かりづらいので図で説明します。

ただし訪問の間隔は6日以上あけなければなりません。

6日以上空いていなければ定期訪問指導料は算定できません。

臨時的な訪問の場合

計画していた予定日とは別の日に、指示が出ていない病院からの処方箋を受け付けた場合について解説します。

それが「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」 (以下、緊急訪問指導料) の要件を満たしていれば、それを算定します。

要件として以下の2つを満たしているか確認します。

  • 在宅で担当している患者の状態の急変等に伴う
  • 訪問指示を出している医療機関と連携している場合

これらを満たさない場合、外来扱いとする薬学管理料を算定することになります。

また、さらに緊急訪問指導料には1と2があり、継続的な指導対象疾患であるかどうかで判断します。

詳細は以下の記事をご確認ください。

【薬局の在宅訪問】在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の算定方法を徹底解説!在宅医療の需要が高まり、薬局としても在宅医療に関わることが増えてきています。 しかしながら、外来とは異なり、在宅医療では算定する指導料...

在宅患者調剤加算 (15点) について

薬学管理料ではありませんが、気になるところなので在宅患者調剤加算についても解説します。

在宅患者調剤加算について届出を行っていれば、いずれの場合も「算定可能」です。

在宅患者調剤加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導や居宅療養管理指導を算定している患者が対象だが、これらを指示した医師の処方箋でなく、それ以外の医師もしくは医療機関が交付した処方箋についても算定できる。つまり、在宅や居宅を算定している患者であれば、在宅や居宅の処方箋だけでなく、計画書外の処方箋についても在宅患者調剤加算を算定できるということ。
(保険調剤Q&A 令和2年版 (調剤報酬点数のポイント) 日本薬剤師会:編)

したがって、在宅患者調剤加算は届出完了していれば毎回算定して問題ありません。

指導料を算定するのなら、どこに報告書を送らなければならないのか?

報告書については基本的に訪問指示を出した医療機関になります。

定期訪問指導料を訪問指示を出した医療機関に関連付けて算定した場合、指示を出した医療機関のみで良いです。

一方で、「訪問指示を出している医療機関と連携している場合」で緊急訪問指導料を算定した場合については両方の医療機関に報告書の送付が義務となっている点に注意しましょう。

いずれの場合においても、医師を含めて関連する多職種で情報共有することは重要であるため、報告書は関わる全ての職種で実施することを推奨します。

まとめ

今回の記事では「複数の医療機関を受診している在宅患者の算定」について解説しました。

  • 1つの医療機関からの指示で良いのか?

 ⇒ 1つの医療機関でOK

  • 指示をもらっている医療機関の他の病院の処方の際には指導料が算定できるのか?

      ⇒ 条件を満たせば算定可能

  • 指導料を算定するのなら、どこに報告書を送らなければならないのか?

  ⇒ 算定要件上、必要なのは「指示を行った医師」のみ

まとめ資料を以下に掲載しておきます。

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