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【薬局の在宅訪問】麻薬管理指導加算を徹底理解!!

タイガー薬剤師です。

専門分野と言っても過言ではない、在宅緩和領域!

在宅医療に関わっていくと必ずと言っていいほど、医療用麻薬が処方された患者さんに対応することが出てきます。

在宅医療に関わっていくと必ずと言っていいほど、医療用麻薬が処方された患者さんに対応することが出てきます。

 

医療用麻薬を使用している患者へ適切な指導を行った場合、麻薬管理指導加算が加算されますが、算定要件などは理解できていますか?

ケロケロ薬剤師
ケロケロ薬剤師
薬歴ちゃんと書けてたかな・・・。

 

今回の記事では麻薬管理指導加算について算定方法や薬歴の記載方法まで徹底的に解説します。

読んで頂ければ、麻薬管理指導加算を自信を持って算定・薬歴記載をすることが出来るようになります!

麻薬管理指導加算とは

麻薬管理指導加算の概要

麻薬管理指導加算とは、在宅訪問において薬剤師が麻薬の管理指導を行った場合に加算される調剤報酬のことです。

在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導費に100点 (単位) 加算することが出来ます。

 

訪問指導料について医療保険と介護保険の違いは以前の記事で紹介しています。

【薬局の在宅訪問】在宅患者訪問薬剤管理指導料と居宅療養管理指導費 -どっちを利用する?その違いは?-医療保険と介護保険を利用する際の要件や点数が異なることがあるため、薬局薬剤師が患者宅を訪問する際にはどちらを利用するかが重要です。 ...

外来との違い

麻薬の適切な管理は、患者さんの健康を守るために非常に重要であり、在宅医療においては自宅で管理することに介入するため外来 (22点) より高い点数が設定されています。

 

まず外来の要件を以下に記載します。

麻薬を調剤した場合に、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったとき

 

次に在宅の要件です。

在宅患者で麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合

 

 

違いは、外来では「麻薬を調剤した場合」であるのに対して在宅では「麻薬の投薬が行われている患者」となっております。

従って、在宅の場合ではその時に麻薬が処方されていなくても加算することが出来ます。

以下に具体例を挙げて説明します。

麻薬が処方されていなくても加算可能な例

Case1. 2つの医療機関で診察を受けている

A病院では麻薬の処方あり

Bクリニックでは麻薬処方なし

 

⇒どちらの訪問指導においても麻薬管理指導加算は加算可能

 

ただしBクリニックのレセプト摘要欄にA病院から麻薬処方されている旨を記載する必要があります。

さらに補足するとA病院からの麻薬処方については院内処方や、退院時処方などにより自薬局で調剤していない場合でも麻薬管理指導加算を加算可能です。

Case2. 定期で麻薬処方されており、緊急時に麻薬処方なし

定期薬: ナルサス錠 4mg/日、レスキューとしてナルラピド錠1mg

発熱あり、尿路感染症のため抗菌薬の処方で緊急訪問要請 (麻薬処方なし)

臨時処方:レボフロキサシン錠500mg

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200点)+麻薬管理指導加算(100点)

Case1、Case2どちらの場合においても麻薬管理指導加算の加算が出来ます。

もちろん、いずれにおいても麻薬に関する管理・指導を行うということは大前提です。

薬歴の記載内容

次に薬歴の記載項目について解説していきます。

通常の薬歴に追加すべき項目があります。

おおまかに分類すると以下の4点です。

① 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容

② 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点

処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点

④ 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項

逆に考えると麻薬管理指導加算を算定する上でこれらの項目について確認・指導してくることが必要となります。

1つずつ見ていきましょう。

① 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容

麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等

記載例

O:

【麻薬の保管状況】お薬BOXにて管理良好

【服薬状況】フェントステープ1mg毎日交換できている。オキノーム散4回/日程度使用

【残薬】フェントステープ1mg、0.5mgがそれぞれ7日分。オキノーム散2.5mg 10包あり、今回処方分と合わせて30包

【麻薬注射剤等の併用薬剤】なし

A:

【疼痛緩和の状況】レスキュー使用が4回/日程度。腹部の鈍痛が常時NRS 5~6程度であり、疼痛はやや不良。今回よりフェントステープ1mg→1.5mgに増量となるため改善に期待。

【麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化】便秘あるが酸化マグネシウム調節し、自制内。吐き気や眠気、その他の副作用認めていない。フェントステープ増量に伴い悪化に注意。

② 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点

麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等

記載例

A (or P)

【麻薬にかかる服薬指導】今回からフェントステープが増えています。今までは1mgだけでしたが、今回から0.5mgも一緒に貼ってください。フェントステープを貼った場所はあたためないようにしてください。入浴する場合は剥がしてから入るようにし、貼り替えの時間を入浴の時間と合わせるようにしましょう。オキノーム散は痛みが出た時には我慢せずに服用してください。

【保管管理の指導】他の人が誤って使用しないように注意してください。特に小さいお子さんの手の届かないところに保管しましょう。使わなくなった未使用の医療用麻薬は薬局で廃棄するので自宅では捨てないでください。

③ 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点

麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。

記載例

処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点

【麻薬の服薬状況】服薬状況は良好です。レスキュー使用についても理解されており、適切に使用できています。

【疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の状況】疼痛コントロールはやや不良であり、今回フェントステープ増量されたことで改善を期待します。副作用について便秘は現在酸化マグネシウムで自制内ではありますが、悪化するようなことがあれば酸化マグネシウム増量やスインプロイク追加などご検討ください。

④ 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項

記載例

【患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項】使用していないオキシコンチンTR錠5mgを回収し、薬局内にて廃棄を行い、調剤済麻薬廃棄届を提出した。

 

まとめ

今回の記事では麻薬管理指導加算について解説しました。

薬歴の記載項目がぐっと増えますので、漏れがないようにしましょう。

まとめ資料を以下に掲載しておきます。

ダウンロードして皆様の薬局でご活用ください。

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