在宅の知識

【薬局の在宅訪問】施設在宅を受けても集中率は下がらない!?

2024年度調剤報酬改定について議論が進んでいる中で調剤基本料の見直しについて財務省から触れられています。

今後、薬局経営において集中率を下げる必要性が高まってくると予想されます。

その際に、施設在宅を獲得して集中率を下げようと考える方も出てくるかもしれません。

しかし、通常、施設在宅を多く受け入れても集中率は下がりません!

集中率を計算する上での分母にも分子にも含まれません。

 

今回の記事では在宅医療に関する処方箋が受付回数や集中率に含まれるかどうか解説します。

施設在宅は受付回数・集中率の計算に含まれないと記載していますが、以下の表現の方が適切です。

在宅医療に関わる処方箋は受付回数・集中率の計算には含まれない。

ただし、個人在宅の定期的な訪問に係る処方箋については計算に含める。

管理薬剤師.comでも詳しく記載されていますが、ここでは在宅医療に関わる部分に特化して解説します。

ただし、施設で集中率を下げる裏技(?)もあるので、末尾に【有料】で紹介しています。

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集中率の定義

集中率は以下のように定義されます。

集中率=特定の保険医療機関に係るものの受付回数/すべての処方せんの受付回数×100

該当する期間については新規開局した場合は特殊になります。

  • 前年2月末日以降継続して保険薬局に指定されている薬局

  期間:前年3月1日から当年2月末日までの12か月間

 

  • 前年3月1日から前年11月30日までの間に新規に保険薬局に指定された薬局

  期間:指定の日の属する月の翌月1日から当年2月末日まで

 

  • 前年12月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局

  期間:指定の日の属する月の翌月1日から3か月間

  ※適用開始までの間は41点を算定する。

在宅医療の処方箋は受付回数・集中率に含まれない

受付回数から除外される処方箋

  • 時間外加算
  • 休日加算
  • 深夜加算
  • 夜間・休日加算
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料、ただし在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料を除く。)の処方箋については、単一建物診療患者が1人の場合は受付回数の計算に含める。
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急時等共同指導料
  • 居宅療養管理指導費(ただし、単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。)
  • 介護予防居宅療養管理指導費(ただし、単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。)
  • 公費単独
  • 生保
  • 労災
  • 自賠
  • 自費

つまり、「在宅医療に関わる処方箋は受付回数・集中率に含みませんよ。ただし、個人在宅の定期的な訪問については特別に計算に含んでいいですよ。」ということになります。

定期的な訪問指導料

単に施設入居している患者が受付回数・集中率計算の除外対象になるわけではありません。

単一建物居住者2~9人もしくは10人以上の在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費 (以下、訪問指導料) を算定している場合には除外対象となります。

個人在宅の訪問指導料については「単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める」とあるように計算に含まれます。

緊急時の訪問指導料について

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料や在宅患者緊急時等共同指導料を算定した場合も受付回数・集中率には含まれません。

これは施設在宅だけでなく、個人在宅についても同様です。

 

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料についてはこちらを参考にしてください。

https://pharmacyoutdoor.com/kinnkyuu/

処方箋受付とは別に薬学管理料のみを算定する場合

訪問指導料や退院時共同指導料など処方箋受付がなくても薬学管理料を算定することがありますが、それらについても受付回数・集中率の計算には含まれません。

施設に入居している患者でも計算に含まれるケース

単に施設に入居しているから計算に含まれないわけではありません。

施設に入居している患者の処方箋でも受付回数・集中率の計算に含むケースもあります。

訪問指導料を算定していないケース

特別養護老人ホームなどで訪問指導料を算定していない場合や、家族や代理人が薬局に来て外来で対応する場合は外来扱いとなるため受付回数・集中率に含まれます。

施設ごとの算定可否は以下の記事を参考にしてください。

https://pharmacyoutdoor.com/houmonokshisetsu/

個人在宅の訪問指導料を算定している

施設に入居していて訪問指導料を算定していても、担当入居者が1名だったりして個人宅の点数を算定しているケースについては、集中率や受付回数に含まれます。

単一建物居住者人数の考え方については以下の記事を参考にしてください。

https://pharmacyoutdoor.com/douitsutatemono/

 

まとめ

今回の記事では在宅医療と集中率の関係について解説しました。

以上のように訪問指導料を算定している場合、施設在宅は受付回数や集中率には含まれません。

一方で、個人在宅では定期的な訪問指導料については受付回数や集中率に含まれるので、個人在宅を増やすという戦略は集中率を下げるという点においては有効であると考えられます。

まとめ資料を載せておきますので、ぜひご活用ください。

 

この先の有料ゾーンにて施設在宅を応用して集中率を下げる方法についてお伝えします。

 

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【有料】施設在宅で集中率を下げる方法

施設在宅は集中率の計算に含まれないと散々言ってたのに、どういうこと?と感じられるかもしれません。

しかし、これまでの情報を踏まえて施設在宅を活用して集中率を下げる方法があります。

シンプルなものですが、裏技的なものをオープンには出来ないので、少しだけお金を頂きます。

興味のある方は読んでください。